IMD独特の仕組みの一つがTeam mateによる評価(peer review)を基準としたGrading。定められた基軸(Vision, Communication, Motivation, Control, Context, Personal presense)を元に8名のStudy Groupの自分を除く7名が匿名で評価を行い、その結果を元に通知表の点数が決められるという仕組み。加えて、8名の内からLeaderにふさわしい2名を投票せよ、というもの。その得票数も点数に勘案される。
人格に点数を付けるえぐい仕組み、そんな風にも見えません? ただ、僕はこんな風に捉えています。Real World, Real Learningを標榜するIMDらしい、まさに地に足の着いた本当の評価だなあ、と。というのも、外の世界(ビジネスの世界)に於ける自身の評価と、ここで(内の世界)のPeer Reviewは限りなく近しい評価方法で行われるように思うからです。人の評価は、必ずしも理性的に行われるわけではありません。Taskに対するPerformanceは勿論、それを含むあらゆる事象を総合勘案し、更に評価者個人の好き嫌いも大いに反映された結果としてのものです。売上をどれだけ伸ばせても、人に好かれない性格では、組織の長となることはできないというのは非理性的な判断による結果の一例でしょう。 不幸なことに、外の世界では、評価は必ずしも定期的に明らかにされることがなく、気がつかないうちに蓄積していきます。結果、気がついたときには、取り返しのつかない評価が周囲から為されていることがあります。Peer reviewとは、explicitに自身の評価を得る最良の材料となります。欧米の企業では導入が進んでいる360度評価がその一例でしょう。その評価結果を元に、給与・昇格が判断されていくわけですが、それば僕らの場合は”成績”となるわけです。ダイナミクスは、全く同じなわけです。 当然、一部の人間は、成績を上げるために周囲を気にかけた行動を始めます。これは外の世界でも同じ。昇進したい人間は、評価を気にした行動を始める可能性があります。しかし、残念なことにその行動が、必ずしもPeer reviewの評価に好材料とならないこともままあります。その結果は、次回のPeer Reviewで明らかにされます。このような評価の過程を繰り返すことで、自身の本当のマネジメントスタイル、というか、より本質的な人との接し方、働き方というごくごく基本的な力を身に付けていくことを期待しているのだろうと思います。解の無い作業のため、物凄いエネルギーを要することもあり、この特殊環境に於いてこそ果たしうる作業だとも思います。 斯様にIMDの教育は、マネジメントと言う人間に必要となるもののあらゆる力を、あらゆる方法で、まさに引っ張り上げる、時には力ずくででも、気づかせるというポリシーが徹底していることを感じます。これを達成するためには人数の限界があり(90名)、さらには精神面をman to manで支えるカウンセラーを無料でつけるなどのフォロー体制を敷いているのだと思います。
by tomoimd
| 2007-04-23 06:29
| IMD・CLASS
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