各方面から聞かれることですし、IMD MBAを目指される方のサンプルにもなると思うので、極めて私的なことながら(って、私的なことばっかりだったか)、卒業後の進路についてもご報告しておきます。
休職扱いをして頂いていた元の会社を正式に退職し、欧州で米系戦略コンサルティング会社に勤務することにしました。まさか自分がコンサルタントになるとは夢にも思っていなかったというのが正直なところです。 では、何故?という話ですが、ぶっちゃけたところ欧州在住で実務の経験がある訳でも無い人間が、特殊技能を売りにする訳でもなく、職種・地域・業界の3種類をいっぺんに変えようとしたら、そもそもほとんど選択肢が無かったというのが実情です。 学校のキャリアサービスからは、まずこの3つの軸を一度に変えようなんて無謀なことはするな、と口を酸っぱくなるほど言われ続けます。これを頑なに無視し続けた結果、案の定、全く先が決まらない状況に陥り、そんな状況を白い目で見られました。それでも、あがいた結果、卒業式も終わった後に、聞きつけた話に飛びついたらこんなん出ました、って感じなわけです。ま、粘り勝ちです。勿論、キャリアサービスだって諸手をあげて喜んでくれましたよ、散々迷惑かけやがって的な視線は眼球の奥のほうに感じましたけど。 言い換えると、欧州へ残ることを最優先にしたが故に、えらい目にあったというのが本当のところです。素直に日本での就職を選べば、他の学生が就職活動であくせくしている間、完全休暇で欧州旅行にでも出かけられたはずでした(実際には旅に出てましたが。。)。 今度の仕事は、欧州とアジアを結ぶような仕事になります。欧州企業のアジア展開をお手伝いするとか、その逆にアジア企業の欧州展開をお手伝いさせて頂くといった仕事です。これは、実は、まさに僕がIMDの門を叩いたきっかけでもありました。入学審査用のApplicationにもそんなことを思いっきり書いて、青々しくのたまった事を覚えています。そんな、青々しさに”お前はpoliticianか?”と非難を受けたこともありますが。。 まさかそんな仕事が転がっているなんて夢にも思わず(ただのリサーチ不足)、そこに内在するあらゆるリスクを検討するまでも無く、飛びついてしまいました。 ちなみに、IMDにおけるコンサルティング就職は、あまり評価が高くないというのが僕の肌感覚です。今年に限って言えば、クラスの3割程が3強といわれるコンサルティングファームを受け、ほぼ全員がそのいずれかからオファーを貰っていたように思います(何だ、誰でももらえるじゃん、見たいな感覚が漂っていたことは事実。)。しかし、実際にそのオファーを受ける学生は更にその半分以下になります。ここが、IMD MBAの他MBAとの最大の違いが現れる部分です。皆、目指しているのはReal Learning, Real Worldなのです。Real Worldとは、ここではIndustryのことで、実業のことです。所謂社会経済活動の根幹を為す実業ですから、smartな人間ばかりが集まるわけではなく、色んなメンドクサイことが坩堝になっている世界です。 従って、IMD MBA卒業生の就職先はIndustryが圧倒的です。コンサル・投資銀行といったいわゆるPost MBAの人気業種は、ここでは違った捕らえられ方をしています。理由は単純で、皆、既にコンサル・投資銀行を経たMBAが次に狙うポジションを既に狙える位置に居るからです。つまり、通常のMBA学生は27、8才でMBAを終え、まずはResume Buildingに躍起。またはMBAで学んだことを実地に落とし込むに際してのトレーニング期間を設けます。それがコンサルであり投資銀行になるのでしょう。その後、その世界に残る人もいますが多くはそこを出ます。行き先は、起業 or Industryとなります。IMD MBAの学生は既に勤務年齢からしてもこのPost MBAがone cusion於いた更にその先のポジションをPost MBAの職業として選ぶというのが王道になっています。これは、就職先業界ごとの平均初任給をみればよくわかります。IMDの場合、Industry就職の給料は、コンサル・投資銀行よりも2割以上高いという数字が出ています。所謂、Post-MBA型のIndustry就職では得られない数字を多くの学生が得ているのは、既に彼らのポジションが更にその上を得ていることの証左といえます。Country Manager見たいなポジションもちらほら耳にします。逆に、所謂MBA採用といった紋切り型の採用活動をする企業は、IMDの学生からは犬猿されます。Post MBAで2年間ローテーションプログラムがあります、見たいな企業には、そもそもアプライしないといった傾向が見られます。 この就職先の傾向から、IMD MBAの特殊性がはっきりと判るのではないかと思います。皆、実業の世界で、社会に何かを還元したいと本気で思っています。smartな人間のみが集まる偏った世界ではなく、よりインパクトの大きな実業の世界を目指しているのです。当然、IMD MBAが提供する教育も、そういった混沌とした実業の組織を導くリーダーとして必要となるものを身に着けるべくデザインされています。 IMD MBAがLeadershipとInternational Managementに力を入れる理由は、そこにあります。 ちなみに、僕は、このLeadershipとInternational managementこそ、日本の実業界において致命的に欠落している、人的側面に於ける緊急の課題ではないかと感じています。だからこそ、多くの日本人学生にIMD MBAを目指してもらいたいとも思います。
by tomoimd
| 2007-12-27 14:58
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