IMD MBAについて少しでも多くの生きた情報を発信することが出来ればと思い2006年末の留学直前に始めたブログもMBAを終了、2008年の2月を迎えようとしている。卒業してからと言うもの、IMD MBAとは何であったのか、ということを自分なりに色々と整理しようと何度と無く試みるも、11ヶ月に亘る濃密な時間を文字に纏めるのは相応な時間とエネルギーを必要とすることを実感している。ただ、Lazyになってきたという面も否定できないが。
僕が2007年を通じて経験したIMDにおけるMBAは、一言で言ってしまえばLeadership教育の場である、と言うことに尽きるのだが、これでは全く説明のようでいて余りに不親切なので、11ヶ月の生活を経て改めて何がIMDの最大の価値だったのかを、僕なりに纏めてみる。 1.Location : Lausanne, Ouchy MBAは、勉強をしに行くのであって、机と椅子と電灯さえあればどこでも同じ、と、僕も思ってた。しかし、振り返ってIMD MBAを様々な角度から考えてみるに付けLausanneのOuchyという土地にそのキャンパスがあることの意義の大きさに気付かされた。 MBAという非日常の時間をどのような環境に囲まれて過ごすかはその時間のrichnessを大いに左右する。如何に寝室とstudy roomの往復生活とはいえ、その往復の道のりで吸う空気、景色、街の人の人柄・雰囲気は人生の方向性を見極める時間への集中力を高める上では重要となろう。 更にLausanneは、Geneveから約40分。Geneveから欧州各都市へは、どこも1時間少々のフライトで辿り着ける。Budget Airlineを利用すれば数千円で週末を欧州主要都市の息遣いを感じることが出来る。欧州大陸を存分の味わうことも出来るだろう。 何も無い静かな小さな街に住みながら巨大な欧州大陸のどこへもアクセスが容易であるこの立地は、IMD MBAの最大の資産だろう。 2.Classmate : 出身40カ国を超える89名の経験豊富なClassmateが学び 学びは今日教授よりもクラスメートからの方が多かった。ビジネスパーソンとしての知識・経験は勿論、問題への取り組みの姿勢を共に取り組む課題やプロジェクトを通じて日々肌で感じることの価値は非常に大きい。その意味でもCase Methodを中心としたLearning方法は非常に重要となる。 更に異なる文化、宗教、民族、業界、等々を超えた普遍なるものがそこにあることを学ぶ。このDiversityは、Leadershipを鍛える意味に於いて不可欠な要素である上、その経験はInternationalなビジネスパーソンを目指す人間にとってこれ以上に自信を与える方法も無かろう。 また、平均31歳という同世代がビジネスを超えて抱える悩みが万国共通であることもReal Learningといえる。ビジネスの現場の裏側には常にPrivateな側面があり、これを如何にマネジしていくかという側面は、成功するビジネスパーソンとなる上で当然避けて通ることが出来ないだろう。 当然、少数が故に絆は強く、世代を超えた卒業生のネットワークも非常に強い。少数が故に先輩も非常に後輩を大切に扱うし、少数が故に非常に皆が近しい感情を抱きやすいのだろう。 3.Program : Leadership Focus IMDは11ヶ月のプログラムをLeadershipにFocusしている。そもそも11ヶ月としているところに始まり、90名しか取らないこと、40カ国を超えるdiversityを維持していること、Lausanneにキャンパスを構えること、プログラムのスケジュール、コンテクスト、その全てがLeadership教育のためにデザインされている。 全てのグループではグループ解散前にチームメートからのFeedbackが設けられ、これが成績に直結する。延べ8本ほどのLeadershipにかかるPaperを11ヶ月通じて書き続けさせられる。自分の生まれ育ち、祖先を辿り本当の自分のルーツを辿ることで何故自分が今ここに居るのか、そしてどこへ向かおうとしているのかを分析する。精神分析医がその分析を通年でHelpする仕組みがある。このような様々な気付きの機会を得て学んだ自分の強弱を織り交ぜたLeadershipを実験的に発揮する仕組みが継続的にある。Leadershipを11ヶ月通じて実験している巨大実験場のようなものだ。 昨今のニュース報道でも世界のLeaderたちが口々にLeadershipと言う言葉を口にするのを見て少し驚くほどだ。Davos会議を見ていてもLeadershipという単語は、恐らく、聞く側のこちらの意識的な問題もあろうが、兎に角、よく耳に入ってきた印象がある。それほどまでにGlobalの政治経済のリーダー達が求めているのがLeadershipなのである。IMDは、このLeadershipの教育に徹底的にFocusしており、これ以上FocusしたProgramは他に無いのではないだろうか。 これから3回に亘るエントリでは、以上の3点につき個別にもう少し掘り下げて整理してみたい。自身の備忘録的な意味も含め記しておきたいと考えている。
by tomoimd
| 2008-01-27 19:11
| IMD・CLASS
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