IMD MBAの魅力の筆頭にその立地を挙げてみた。繰り返すが、勉強しに行くのにどんな土地であろうが関係ないだろ、という議論は大いに正しいかもしれない。ただ、MBAには、本当にただ単純に勉強をしに行くのだろうか?見聞を広げる、自分を見つめなおす、机に向かってケーススタディだけではない様々な時間、全てひっくるめてMBAと言うのが僕のスタンス。従い、その観点からLocationの重要性は揺るがしがたい。
実は、Frankfurtへ来て、クラスメートのChristophともそんな会話をしたところ。Frankfurt出身で、夏は南仏ニースの別荘に移住してしまうほど優雅な暮らしを送ってきた彼ですら、『Lausanne近辺に戻りたいなぁ、仕事があれば。実は、両親も移住を考えているぐらいだよ。』と言っていた。それほどに美しい土地にIMDは在る。 Lausanneは、750万人しか居ないスイスのその中でも5番目の都市。それでもフランス語圏では、Geneveに続く都市なのでスイス内比較に於いては大きな都市だが、日本人の多くの感覚から言えば、片田舎の小さな街だ。その中でもOuchyと呼ばれる湖沿いは、夜8時以降に人は歩いていない。唯一のBarであるWhite HorseはIMD学生で一杯。それだけだ。レマン湖の対岸にはミネラルウォーターで有名なEvianがある。湖のみならず対岸には大きな山脈が続き、その景色は筆舌に尽くしがたい。大体、Locationの良さを文章で説明するなんてこと自体、愚の骨頂という気もしている(残念ながら写真を入れたHard discが引越し荷物の中で眠っているので)。。夏季のみ運行の遊覧船に乗り込めば、その美しい湖のど真ん中へ出て行ける。Evianまでは約30分程度だったか。 従い、湖畔に面した地域は富裕層の引退後の住居となっている。Lausanneから東へ向かうVevey, Montreuxは、特に有名。チャップリンからフレディーマーキュリーに至るまで多くの著名人に愛されてきた。IMDから徒歩5分の距離にあり卒業式も行われるBeau Revageは、昭和天皇が滞在した程のホテルでもある。因みに、この辺りには今現在もF1ドライバーから映画スター、IKEAの創業者に至るまでありとあらゆる類の金持ちが居を構えている。 全く知られていないと思うが、この辺りはスイスワインの産地でもあり、湖に面した斜面はブドウ畑になっている。ブドウ畑に湖、悠然とした山々に囲まれたキャンパス、それがIMDの立地だ。 また、フランス語圏で、且つ、富裕層の悠々自適な土地とくれば、当然、食も豊か。ミシュランの3つ星を取るフレンチレストランが、隠れ家のように彼方此方にある。これまた、異次元の世界を楽しむことが出来るだろう。少なくても日本から旅行で訪れる日程では向かわないであろうところに、別世界の贅沢がある。 少し地域を広げれば、国際都市Geneveが電車で40分の距離。首都のBernを含めスイスの各主要都市も車で1,2時間。北部のドイツ語圏の町を訪れると、とても同じ国とは思えない程に町並みが異なる。スイス自体、多様性の国(連邦)なのだ(因みに、多様性こそがIMDのKey Wordだと僕は個人的に思っているのだが)。 更に視点を広げれば、Geneve空港からは、ヨーロッパの各都市へほんの1時間で飛べる。Easy JetやらのBadget airlineの登場のお陰で、週末以外の旅行も可能な学生は平日のとても安い数千円単位のチケットで旅行が出来る。IMDの学生は当然欧州各地から来ているので、どの土地へ行くにも地元密着の水先案内人が居る。僅か1年の留学生活、夏休みも3週間しかない割には、相当程度ヨーロッパとはどんなところか、ということを身をもって体験することが出来るだろう。島国、日本から出てきた我々にとってInternationalやGlobalizationの意味するところの違い、身近さを存分に味わうことが出来るだろう。 MBA生活は、1年なり2年なりを日常的なルーティンから抜け出すことが出来る極めて稀な時間だ。無論、その時間のほとんどを勉強に過ごすのだが、同時にそれをどのような土地で過ごすのかによってMBA生活が全く異なるものとなることは議論の余地がないだろう。加えて、土地次第では、学習効率にも差を生むと思う。特に、自らを振り返り、掘り下げるという作業には一般世界から遮断された空間に一定期間、身をおくことで集中を昇華させる必要がある。そんな時に、全くの無でありながら唯一訴えてくるものが自然の豊かさであり、それがあるのと無いのとでは圧倒的な違いが生じるのではないかと思う。圧倒的な自然は、同時に安らぎと集中力を高めることを手伝ってくれる。五感が研ぎ澄まされきっている留学期間だからこそ、その全てに訴えかける力のある土地に身を置くことは、その後の人生観という意味に於いて大いなる差を生むだろう。 やはり、物質的ではない土地の豊かさを”書く”ことが出来るほど文章力がないなぁ、と痛感しながらのエントリになってしまいました。残念だなぁ、あの美しさをお伝えできないのが、本当に。。。
by tomoimd
| 2008-02-25 06:11
| IMD・CLASS
|
ファン申請 |
||